イベント・講演
2024年8月08日
【Corporate Pitch #21】「モビリティデータ革新 -モビリティサービス×車両データによる新価値創出-」
トヨタ自動車株式会社 CV統括部 グループ長 武石大樹氏、主任 高田優大氏
- #MeetUp
MONETコンソーシアム加盟企業のみなさまの共創を促進する MONET Meet UP Corporate Pitch。今回は皆様がご存じ、かつ大変興味をお持ちと思いますトヨタ自動車にご登壇いただきました。
「モビリティデータ革新 -モビリティサービス×車両データによる新価値創出-」
トヨタがめざすモビリティ社会
現在の自動車産業は100年に一度の変革期にいると言われており、その中でクルマの概念も大きく変わりつつあります。トヨタ自動車は、このような変化を踏まえ、今までのビジネスモデルを変え、モビリティカンパニーに変革しようとしています。
変革に向けたステップとして、トヨタ自動車は次のようなコンセプトを掲げています。
「モビリティ1.0ではさまざまなMOVEをつなげてクルマの価値を拡張。2.0で世界中のお客様の移動をお支えするための新しい領域へのモビリティの拡張。3.0では社会システムと融合することで、街や社会と一体となったモビリティのエコシステムをつくる。」
このようなコンセプトを実現する一つの方策として、高田氏からコネクティッドカーを利用した取り組みの説明がありました。
コネクティッドカーとは
「今の多くのクルマには通信モジュール(DCM)が搭載されており、車両とクラウド間で様々なデータがやり取りされています。これまで、蓄積したデータはクルマの開発での活用が主でしたが、今後はデータを社外のより多くの方へも展開し、新たなモビリィティサービスを創出してきたいと考えています。」
車両データ活用について
「社外向けのデータ提供事例として、toC向けのサービスでは、現在『My TOYOTA+』というアプリで所有いただいているクルマの様々な情報をアプリで確認できるようになっています。また確認だけでなく、一部の機能ではリモート操作をできるようにもなっており、より快適にクルマをご利用いただけます。」
「toC向けアプリのような車両データの社外活用を、より多くの場面で活用いただくために、私たちはtoB向けのデータ提供に取り組んでいます。以前から統計情報としてのデータ提供は実施しておりますが、様々なモビリティサービスでの法人様の車両管理などのために、プライバシーガバナンスの観点に十分配慮しながら、リアルタイム性のあるデータや車両1台毎のデータ提供を開始しております。」
事例紹介
高田氏からは車両データを使ったサービスとして2つの事例紹介がありました。
1. カーシェアリング(TOYOTA SHARE)での活用
「これまでカーシェアで提供する車両のガソリン残量を把握するには、スタッフがステーションまで移動し、車両の燃料計を直接確認するという非常に効率の悪いものでした。しかし、ガソリン残量の遠隔確認機能を利用することで、遠隔で給油の要否を判断することができるようになりました。また、カーシェア利用者も、乗車前にガソリン残量を把握することが可能となり、安心してサービスを利用することが出来るようになりました。」
2. 低コストな車両管理サービスを実現(TOYOTA MOBILITY PORTAL)
「この事例は社有車の管理など法人向け中心のサービスになります。」
「従来多くの法人様では、車両管理のため車両にデバイスを後付けしデータ収集を行っていましたが、この方法ではデバイスの購入や取付作業などによるコストや手間が大きな課題でした。しかし、車両に最初から備え付けてあるDCMを活用することで、低コストなデータ収集・車両管理を実現できました。」
講演の最後には、高田氏から「toC、toBに限らずモビリティサービスと車両データを掛け合わせ、社会に役立つ新価値を是非皆様と一緒に創出していきたいと思います。」とのコメントがあり、発表終了後のQ&Aでも、業界問わず多くの参加者から質問が寄せられ、車両データ活用への期待値が高いことが伝わってきました。
今回のMONET Meet Up Corporate Pitchはいかがでしたでしょうか?
車両データといった、モビリティサービスを実現するうえで必要不可欠な要素でありながら、
非常にシンプルな構成となっており、事業・サービス問わず活用イメージが湧くプレゼンだったと思います。
MONET MeetUPではこれからもMaaS事業に取り組む事業者の方々にとって価値あるプログラムを開催して参りますので、引き続きみなさまのご参加をお待ちしております。