MaaS導入担当者インタビュー#1
~愛媛県四国中央市 行政MaaS~

行政サービスの改革が地域活性化への一歩
-四国中央市の新たな挑戦-
愛媛県四国中央市
市民部 市民窓口センター マイナンバーカード推進室
松本 浩幸 様
三原 郁実 様
日本一の紙のまち 四国中央市
[MONET Technologies株式会社(以下、「MONET」)]四国中央市の特徴について教えてください。
四国中央市は、製紙、紙加工業において日本屈指の生産量を誇る、日本一の紙のまちです。市内は自然環境に囲まれ、瀬戸内海と山々が調和した風景が広がっています。高速道路網の整備により3つのインターチェンジと2つのジャンクションを持ち、四国の「エックスハイウェー」の結節点となっているため交通の便も良く、四国地方を代表する観光地や都市へのアクセスもしやすい場所に位置しています。
移動市役所で市民がもっと便利に
[MONET]サービスを導入する前の課題について教えてください。
窓口センターへの訪問が難しい方や、コンビニ交付サービスができない方や、交通手段がない方々にとって対策が必要だと感じていました。また、中山間地域だけでなく、市内全域で行政機関に距離感を感じている人も多いだろうという課題もありました。
[MONET]課題解決するために行政MaaSを導入しようと思ったきっかけを教えてください。
出張所がある地域と、ない地域とで行政サービスに不公平感があると思っていて、この課題を解決するために有効だと感じました。移動市役所が実現できて、近くの公民館に出向いて行けば、わざわざ庁舎に行かなくてもよいので便利になるのではないかなと思いました。

新たな取り組みには苦労と工夫が満載
[MONET]サービス導入において特に苦労した点や課題があれば教えてください。
各種証明書の発行については、他自治体の先行事例を参考にしながら、システム部門との連携を通じて構築を進めました。マイナンバーカードの申請手続きについては職員だけでも行うことができたのですが、市役所と同じセキュリティ環境を整えることは予想以上に大変でした。
[MONET]市民の方に知っていただくために、工夫した点はありますか。
公用車でもすぐにわかるように車両のラッピングを目立つようにしました。1度みたら覚えてもらえるので、最近は「見たよ」って声をかけていただくことが増えました。また、四国中央市は日本一の紙のまち”ベストペーパーシティ”であることから、車両に” Bes-Pa”と愛称をつけ、市民・庁内からの認知が上がってきております。

「便利」「ありがたい」といったサービス導入後の声
[MONET]サービスを導入してからの住民の反応はいかがですか?
運用の際にアンケートをとっているのですが、「近くまで来てもらって便利」「本当にありがたい」といった嬉しい声をいただいています。高齢化が進む中で、相続の相談をオンラインでもできないかなどといった声があり、新たなニーズに気づくこともできました。
[MONET]庁内ではどんな反応がありますか?
防災部門からは災害発生時に衛星アンテナを搭載して、災害対策本部としての活躍も考えられるとの話が上がっていました。また、医療MaaSとしても、山間部の通院や、外来診療、往診の改善に向けて積極的に活用できたらよいとの声も庁内ででています。

” Bes-Pa”を活用したこれからの四国中央市
[MONET]四国中央市では今後どんなことをやっていきたいと考えていますか?
窓口センターだけでなく、市役所全体で活用し、より身近なところで行政サービスを行えるようにしていきたいです。サービスの内容もその他の証明書発行、マイナンバーカードの電子証明書の発行・更新・事務全般を行えるように進めていく予定です。また、納税や相続のオンライン相談など住民からのニーズが増えてきているので、今後他部署との連携を深めていきたいと考えています。
[MONET]行政MaaSを導入して、担当者としてどんなことを感じていますか?
市民の生活に近い場所で運用しているため、Bes-Paで行っている行政サービス以外にも困っていることが改めて見えてきました。公民館などを周っていない日に、車両を別の用途で使えたりできそうだなと活用のイメージが湧いてきています。
この取り組みを始めて、市民の方に「近くで行政サービスが利用できて嬉しいです」と言ってもらえることが増え、私たちのやりがいにもつながっています。
インタビューへのご協力ありがとうございました。