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導入事例

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【長野県伊那市】医師の乗らない移動診療車で医療サービスが患者のもとへ。MONET初の医療MaaS

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医療MaaS導入前

・定期的な通院を必要とする高齢者を中心に、病院への移動が困難だと考える患者が増加傾向にある
・医師不足が大きな課題となっており、訪問診療の場合では移動距離の長さや医師の高齢化による負担増加が懸念されている


医療MaaS導入後

・移動診察車が出向くことで、患者は病院まで行かずに受診することが可能になった
・医師が訪問診療のために要していた移動時間を、緊急性の高い患者の対応にあてるなど、地域にとってより効率的な医療を提供できるようになった

伊那市は長野県の南部に位置し、南アルプスと中央アルプスの二つのアルプスに抱かれ、市の中央部を天竜川と三峰川が流れる豊かな自然と歴史・文化が育まれた自然共生都市です。「天下第一の桜」と称される高遠城址公園の桜や、仙丈ケ岳を中心とする3千メートル級の山々を擁する南アルプス国立公園といった観光をはじめ、電気、精密機械などの高度な加工技術産業や食品などの健康長寿関連産業が発展し、肥沃な土地と豊かで良質な水を生かした米作りの他、野菜、果樹、花卉などの農業が盛んです。
伊那市は新しい技術による産業振興や地域の課題解決を目指し、平成28年に産学官からなる伊那市新産業技術推進協議会を設立し、これまでに農業、林業、工業、ICT教育、インテリジェント交通、ドローン物流、移住定住など各分野に取り組んでいます。最近では国土交通省による中山間地における自動運転の社会実装を目指した実証実験や、AIによる自動配車乗り合いタクシー事業、河川上空を航路としたドローン物流やケーブルテレビをプラットフォームにした高齢者の見守りや買い物システムの事業化などで注目されています。

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伊那市全景

一方、長野県で3番目の面積を持つ伊那市では、定期的な通院を必要とする高齢者を中心に、『通院できない』『通院に負担を感じる』など、移動困難者が増加傾向にあります。また、伊那市の上伊那医療圏では、医師の人員数が全国平均より低く、医師不足が大きな課題です。移動に課題を抱える慢性疾患患者に対しては、かかりつけ医が訪問診療を行うなどで支えてきましたが、移動距離が長く、医師の高齢化も進んでいることから、医師の負担増加が懸念されています。


今回、伊那市はフィリップス・ジャパン、MONETと協業し、MONET初となる医療MaaSを活用することで、これらの課題解決に向けて取り組んでいます。
モバイルクリニック事業では、自宅などへ看護師などの医療スタッフが乗車した移動診察車が出向き、車内のテレビ電話を用いて診療所の医師とオンライン診療を実施します。患者は病院まで行かずに受診することができます。また、高齢者など通信機器の操作に慣れていない方でも看護師が操作することでオンライン診療を受けることができ、医師側も看護師に対して指示をすることが出来るため、患者のみで受診する一般的なオンライン診療よりも安全で質の高い診察を行うことが可能です。
また、医師はこれまで訪問診療のために要していた移動時間を、外来の患者や緊急性の高い患者の対応に充てることが出来るなど、 医師にとっても効率的な診察が行えることによる負担の軽減が期待されています。

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車内の様子(テスト運行時)


動画:長野県伊那市との取り組み

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