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導入事例

北海道網走市

網走市が挑む、精神科領域のケアや広域連携まで見据えた持続可能な広域医療MaaSの先進モデル

  • #北海道・東北
  • #個宅訪問型診療
  • #集団型診療
基本情報
自治体名 北海道網走市
基本情報 人口約3.2万人/高齢化率約34.2%
(令和7年1月時点)
対象エリア 市内全域
令和8年2月から近隣町での広域利用試行開始
診療領域 外科・内科(慢性疾患)・精神科
運行モデル 個宅訪問型診療・福祉施設での集合型診療・
オンライン服薬指導
主幹事 網走市 保健福祉部

医療MaaS導入事例(北海道網走市)

車両内でのオンライン診療と採血を実施。行政で「医療MaaS専用看護師」を採用し現場負担を軽減
 北海道網走市が位置するエリアは、「医師少数地域」に区分されている。また、自家用車が主な移動手段となる地域特性の中で、運転免許証を返納する高齢者や単身高齢者の増加なども相まって、住民の通院手段の確保が課題となっていた。その結果、住民が必要な医療サービスへアクセスできずに受診を控えてしまう「受診控え」の発生も懸念されていた。

 こうした背景を踏まえて、網走市は、医療提供の新たな「選択肢」として、移動型医療サービスを令和5年12月に開始した。関係機関と地道な調整を重ね、参画する医療機関への支援策を整えるとともに、福祉施設での精神科診療などを通じて患者・介助者の負担も和らげる、独自の診療モデルを構築している。

 今後は、参画する医療機関をさらに拡充し、サービスを利用できる市民の数を増やしていく方針である。同時に、定住自立圏における周辺自治体への診療エリアの広域化を図り、地域の限られた医療資源を効率よく循環させる強固な生活インフラとして自走化を検討している。

導入前の課題と導入後の成果
Before(課題)

網走市が属する北網医療圏は医師少数地域であり、加えて、地域の人口構成や交通事情等も相まって、必要な医療を提供するための新たな診療手段の必要性が高まっていた。
さらに、福祉施設では、入所者が通院する際に、施設職員が長時間付き添う必要があり、通院の同行・介助は人材不足の中で職員の大きな負担となっていた。
このような状況を背景に、当地域では地域医療へのアクセスの確保と医療・福祉現場の業務負担の軽減が喫緊の課題となっていた。
また、移動型医療サービス実証段階では、オンライン診療による診療報酬の減額や医療機関の看護師が車両に同乗・移動することによる看護師の負担増など、医療機関に新たな負担が生じることが明らかとなった。

After(成果)

市が任用する看護師によるオンライン診療時の診療補助の実施や財政面での支援策の導入により医療機関の負担軽減の仕組みを確立した。
また、福祉施設での精神科等のオンライン診療の実施では、従来の移動を含めた通院時間と比較して、診療にかかる時間が大幅に短縮され、患者・介助者ともに大きな負担軽減となっている。
診療場面では、車内での皮下注射や採血の実施、遠隔聴診器の車内実装により、対面と同等の診療品質を確保している。令和6年度に実施した利用者アンケートでは、医療MaaSサービス全体の満足度が約88%、対面診療との同等性評価では100%という圧倒的な成果を上げている。
また、令和8年2月からは、近隣町でのサービス提供(実証)を開始した。これを足がかりとして、定住自立圏における周辺自治体への診療エリアの広域化による持続可能なサービス提供体制の確立を目指している。

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