導入事例
大分県杵築市
充実した車載機器環境で中山間地域の医療アクセス格差解消に挑む「公立病院主導モデル」
- #九州・沖縄
- #集団型診療
| 自治体名 | 大分県杵築市 |
|---|---|
| 人口/高齢化率 |
人口約2.5万人/高齢化率40.6% (令和7年10月時点) |
| 対象エリア | 山香地区 |
| 診療領域 | 内科(慢性疾患) |
| 運行モデル | 集団型診療 |
| 主幹事 | 杵築市立山香病院 |
医療MaaS導入事例(大分県杵築市)
充実した検査機器の車載環境と衛星通信により、公立病院が主導する移動診療の取り組みと新たな展開
大分県杵築市では、東部の沿岸域に医療機関が偏っており、中山間地域における持続可能な医療提供体制の確保が長年の懸念事項であった。公共交通機関の縮小に伴い、自力通院が難しい高齢住民の日常的な受診負担が増大していたほか、医療現場にとっても個別往診の移動負担が大きいなど、移動困難者の受診機会維持が喫緊の課題となっていた。
この課題に対し、市は国の補助金を活用し、杵築市立山香病院を中核的な担い手として、マルチタスク車両を活用した医療MaaS事業を令和7年3月に開始した。最大の特徴は、企業版ふるさと納税などを活用して構築した充実の車載医療機器環境である 。車内には一般的な遠隔聴診器や血圧計に加え、ポータブルワイヤレスエコー、超音波骨量測定装置、AI活用の最新インフルエンザ検査機器、周波数対応純音聴力検査機器(オージオメーター)まで完備した。電波の届きにくいエリアでも衛星通信機器とポータブルバッテリーにより、遠隔地の医師へ高精度なデータをリアルタイム伝送する体制を整えている。
巡回診療の開始により、患者は身近な公民館等にいながら外来診療と同等の診察を受けられるようになった。加齢に伴う「聞こえ」の衰えの早期発見など高度な対応が可能となり、利用者からは「車内で鮮明な画像を見ながら細かく検査と診療をしてもらい、病院での診療と変わらない安心感を得られた」「遠くの病院まで長い時間をかけて通わずに済み、体力的にも精神的にも本当に楽になった」といった大きな安堵の声が寄せられている。
今後は慢性疾患患者の定期受診や出張健康チェックの定着に加え、薬剤師や栄養士、リハビリ専門職など多職種によるオンライン遠隔指導の実施も視野に入れている 。医薬連携や予防診療への応用など多角的に機能を拡張し、疾病の早期発見から切れ目のない生活支援までを一貫して提供する持続可能な地域医療基盤の確立を目指している。
中山間地域における医療機関の偏在と公共交通縮小により、高齢者の通院負担があった。
自力受診が困難な住民の受診控えや重症化リスク、個別往診に伴う医療現場の移動負荷などが深刻な課題となっていた。
充実した車載医療機器と衛星通信を備えた車両で集団型診療を実施した。
遠出せずに身近な場所で病院と同等の高度な診療・検査を受けられる環境を整え、患者の通院負担解消や治療中断・重症化を防ぐ包括ケアモデルを確立している。
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